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日本共産党

2018年3月28日(水)

「働き方」法案 了承見送り

自民部会 閣議決定ズレ込む

 厚生労働省は26日、今国会に提出をねらう「働き方改革」一括法案について修正案を自民党の厚生労働部会などの合同部会に示しました。過労死遺族や野党が削除を求める「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度)はそのまま盛り込んだうえ、残業の上限規制について、中小企業の事情に配慮して指導するとの付則を追加して骨抜きにする内容などが盛り込まれました。それでもなお、中小企業を残業規制そのものから外すべきだとの意見まで出され、了承を見送りました。

 法案の閣議決定は4月にズレ込む見通し。労働時間データのねつ造で裁量労働制の対象拡大を削除するなど提出時期が大きく遅れ、思惑通りに進まない事態になっています。

 上限規制は過労死ラインの月100時間まで容認する名ばかり規制です。修正案は、労働基準監督署が中小企業の人材確保や取引の実態を踏まえて指導を行うとする付則を盛り込みました。過労死ラインを超えても、自主的な改善を促す指導にとどめる内容です。

 安倍首相は、「罰則付きで上限を規制する」と強調していますが、ただでさえ緩い罰則付き規制をさらに骨抜きにする内容です。

 このほか修正では、企業に労働時間把握を義務付けますが、違反しても罰則はなく実効性に乏しいものです。


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