2018年3月21日(水)
米との核兵器共有も言及
参院外交防衛委井上議員が批判
09年駐米公使 非核三原則の否定
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日本共産党の井上哲士議員は20日の参院外交防衛委員会で、外務省の秋葉剛男外務事務次官が駐米公使だった2009年当時、オバマ前米政権の核軍縮の動きを妨害するとともに、在日米軍基地に核兵器を配備し、米軍と自衛隊が核兵器を共有する「ニュークリア・シェアリング」まで求めていたことを明らかにし、非核三原則を踏みにじる自民党政権を厳しく批判しました。
09年2月25日、秋葉氏らは米議会戦略態勢委員会の意見聴取に対して、核巡航ミサイル・トマホークに代わる核兵器の導入や核弾頭の最新鋭化、「低爆発力の地中貫通型核兵器」まで求めていたことが明らかになっています。井上氏が事実関係をただしたのに対し、河野太郎外相は「やりとりの詳細は差し控える」としつつ、「日本政府は政策上、非核三原則を堅持している」とごまかしました。
井上氏は「非核三原則は単なる政策ではない。衆参本会議で決議された国是だ。国民に見えないところで核削減に反対したのは重大だ」と批判しました。
また、米国の「憂慮する科学者同盟」(UCS)の報告書に、「同氏(秋葉氏)の考えでは、日本にとって唯一の効果的な核オプションは、米国がNATO(北大西洋条約機構)同盟国に対して提供した『ニュークリア・シェアリング』と同様の取り決めだ」と記されていることを指摘。河野氏は「(秋葉氏は)UCSの関係者と会って話した記憶はないと述べた」と説明。明確には否定できませんでした。
井上氏は、外交官が他国との協議で非核三原則に反する発言を行ったことを厳しく批判。10年以前に設置された「日米拡大抑止協議」における米国との協議をすべて明らかにするよう求めました。その上で、「日本は核兵器禁止条約に参加し、核廃絶の先頭に立つべきだ」と指摘しました。