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2018年3月19日(月)

オスプレイ 過半数が運用不能

構造複雑、整備追いつかず

米軍高官が証言

 米海兵隊が運用している垂直離着陸機MV22オスプレイ約300機のうち過半数が、整備が追い付かないため、運用不能な状態に陥っていることが明らかになりました。昨年11月9日の米下院軍事委員会で、米海兵隊航空副司令官のスティーブン・ラダー中将が証言しました。

 ラダー中将は書面証言で、「MV22の航空機準備率(=準備基本機、RBA)は現在、48%であり、容認できない」と証言。その理由として、オスプレイは2007年の実戦配備以来、戦闘任務などで現場からの要求が高く、「生産ラインから降ろされると即座に実戦に送り込まれ、(任務に応じて)75種の機体構成が存在する結果になった」と指摘しました。寒冷地や洋上、砂漠地帯など、投入される現場に応じて機材の入れ替えを頻繁に行ったため、機体構造が複雑になり、整備が追い付いていないとみられます。

 また、米海兵隊の航空部門では飛行士・整備要員ともに深刻な人材不足に直面しており、とりわけMV22、FA18戦闘攻撃機、F35戦闘機で深刻だとしています。加えて、整備部門での離職率が高く、熟練した整備士が育っていないことも明らかにしました。

 ラダー中将は、オスプレイだけでなく、海兵隊全体で「飛行可能」な機体が43%にとどまっていると指摘。それにもかかわらず、「1年おきに6カ月」のペースで、イラクやアフガニスタンの戦闘作戦への参加を余儀なくされていると指摘しました。

欠陥の核心は何ら解決なし

 ラダー中将の証言を分析した「九条の会・あきしま」の小柴康男さんの話 米軍はこの状況を打開する対策として、75種類の機体構成を統一化し装備性能を向上させる計画を立てています。生産中の機体も含めMV22、空軍仕様のCV22オスプレイなどすべての機体が対象です。米軍横田基地(東京都)へのCV22オスプレイ配備延期の背景には、こうした事情もあります。

 しかし、機体を統一化しても、▽回転翼が小さく機体が重いため揚力不足で機体のコントロールが難しく離着陸時に不安定になる▽エンジンが停止しても安全に着陸できるオートローテーション機能がない―といったオスプレイの欠陥の核心は何ら解決しません。安全よりも利便性が優先されているのです。

 このまま横田配備や陸上自衛隊への導入などが進めば、沖縄だけでなく日本全国で危険が拡大します。安全も確保されていないオスプレイは持ち込ませず、配備撤回させなければなりません。


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