2018年3月15日(木)
“「沖縄に核」容認”メモは本物
当事者の元米高官 本紙に証言
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【ワシントン=池田晋】在米日本大使館の秋葉剛男公使(現・外務事務次官)が米側から沖縄への核貯蔵庫建設の是非について打診され、「説得力がある」と述べたと記されているメモ(2009年2月27日付)について、ワシントン市内で開かれた沖縄県主催のシンポジウムに出席したモートン・ハルペリン元米国防次官補代理は13日、本紙などの取材に応じ、「メモは本物だ」と証言しました。
メモは、オバマ政権が新たな核戦略を策定するために任命した米議会の諮問機関「米戦略態勢委員会」(議長・ペリー元国防長官)が秋葉氏ら在米日本大使館関係者から同年2月25日に意見聴取を行った際の概要をまとめたもの。本紙が米研究機関「憂慮する科学者同盟」のグレゴリー・カラーキー氏から提供を受け、5日付で報じました。
戦略態勢委員会は12人の委員で構成されており、ハルペリン氏もその1人でした。メモは、当日の意見聴取の内容を同氏に伝えるために作成されたものです。意見聴取では、シュレジンシャー副議長が「沖縄かグアムへの核貯蔵庫建設」を打診したのに対し、秋葉氏が「説得力がある」と反応したとされています。
本紙などの報道を受け、河野太郎外相は6日の記者会見で、「秋葉氏にも確認したが、そのようなことはないということだった」などと否定しました。
これに対してハルペリン氏は、本紙が提示したメモに目を通した上で、「これは責任あるスタッフによって書かれたものであり、正確なメモだ」と明言しました。本紙の取材でも、メモは意見聴取に出席した米側スタッフが作成したことが確認されています。
沖縄県の翁長雄志知事は同日の会見で、「核をどこに置くかとなると、現状では沖縄になるという危機感は大変ある」と述べました。