2018年3月14日(水)
「働き方改革」に懸念
中央公聴会 「過労死遺族への裏切り」
参院予算委
2018年度予算案に関する中央公聴会が13日、参院予算委員会で開かれ、「働き方改革・社会保障」「外交・安全保障」「公文書管理・行政の在り方」について公述人が意見陳述しました。
日本総合研究所の山田久理事、「東京過労死を考える家族の会」の中原のり子代表が、いずれも安倍政権が今国会提出をねらう「働き方改革」一括法案に懸念を示しました。
山田氏は、同法案について「裁量性の高い労働者のみに(裁量労働制が)適用されるかが漠然としている」と陳述。中原氏は残業代ゼロの高度プロフェッショナル制度の推進は「過労死遺族への裏切り」と糾弾しました。
小児科医の夫を過労自殺で亡くした中原氏は「こんな苦しい思いをするのは、私たちだけで止めていただきたい」と声を詰まらせる場面もありました。
沖縄国際大学大学院の前泊博盛教授は、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の危険除去を口実に、政府が強行する辺野古新基地建設に言及。「危険なのは沖縄周辺を飛び回る米軍機だ。県民からすれば、政治の欺瞞(ぎまん)だと言わざるをえない」と指摘しました。
また、相次ぐ米軍機事故に関し、事故の十分な検証を行えず、原因究明がされないままに飛行再開を容認する日本政府の姿勢を「国民の安全より米軍の方を見ている」と厳しく批判しました。
慶応義塾大学の小此木政夫名誉教授は、南北、米朝対話の機運が高まるなど激変する北朝鮮情勢について、日朝国交正常化につながる「またとない機会が訪れた」と強調。拉致問題や北朝鮮の非核化などについて「(日本政府が)北朝鮮側と正面から交渉する気概が必要だ」と話しました。
財務省の公文書改ざんに対し、政策工房の原英史社長は「信じがたい。重大なペナルティーをもってのぞむべき」と厳しく批判。国立公文書館の加藤丈夫館長は「公文書の意義についての理解、教育の場をつくっていくことが基本だ」と指摘しました。