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2018年3月8日(木)

日大授業 外部委託が再浮上

団交で示す 偽装請負の疑い

 日本大学が危機管理学部とスポーツ科学部で、英語担当の非常勤講師15人全員に雇い止めを通告した問題で、授業を外部業者に委託する計画が再浮上していることが分かりました。首都圏大学非常勤講師組合との団体交渉(2月28日)で日大側が明らかにしました。

 文部科学省の見解では、大学が授業に責任をもつために「実際に教育にあたる教員」は直接雇用すべきだという原則を示し、外部委託や業務請負に歯止めをかけています。

 日大の授業外部委託計画は、学部当局が昨年11月、非常勤講師に雇い止めの理由として説明していました。

 非常勤講師組合は、新設学部の文科省認可に反する計画だと批判。日大は昨年12月13日に文科省から聞き取り調査を受け、その後の団体交渉では、授業は専任教員が担当するかのように回答しました。

 ところが、今回の団体交渉で日大側が明らかにしたのは、「ウエストゲイト」という外部業者の講師が実際の授業、採点を行い、専任教員はその場にいるだけという脱法計画でした。

 専任教員を教室に配置しても、外部委託講師と連携するために指示を出せば「偽装請負」という違法行為になります。「実際に教育にあたる教員」を直接雇用する原則に反し、専任教員は自分で指導できない授業の単位認定の責任だけ取らされる恐れがあります。

 また、専任教員は外部委託講師の授業に出席するだけだから負担が軽いものと扱われ、週10~12コマ程度に出席させられます。もともとの自分の担当授業と合わせて、90分授業を毎日3~4コマ出席し、満足に研究時間を取れない恐れがあります。

 日大は、専任教員が専門研究の成果を教育に還元していることを魅力としてアピールしています。学生にとっても、研究を反映させた授業を受けられなくなります。

 日大側は、非常勤講師組合との団体交渉では、まだ外部業者との契約を結んでおらず、3月中旬に再回答するとしています。本紙は、偽装請負の疑いなどについて日大に問い合わせましたが、7日までに回答はありませんでした。


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