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2018年3月8日(木)

金融緩和「正常化メッセージを」

日銀副総裁候補への聴取 大門氏が質問

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(写真)大門実紀史参院議員

 参院議院運営委員会で7日、日本銀行副総裁候補の若田部昌澄早大教授と雨宮正佳日銀理事の所信聴取が行われ、日本共産党から大門実紀史議員が質問に立ちました。

 雨宮氏は、金融緩和について「効果と副作用の評価や将来の出口戦略のありかたなど、検討課題は多岐にわたる」と説明しました。大門氏は、450兆円もの国債を日銀が保有するようになった事態を批判し、「正常化に向けたメッセージを打ち出すべきだ」と迫りました。

 雨宮氏は「重要なのは市場とのコミュニケーションだ」と主張し、「出口の手段はあるが、どのような手段をどういった組み合わせでやるかは、その時々の経済・物価情勢によって変わる」と述べ、具体策には言及しませんでした。大門氏は、2%物価目標にとらわれず「金融政策として物価の安定や雇用のフォローをすべきだ」と提言しました。

 若田部氏は、デフレからの完全脱却に向け「日銀はあらゆる手段を駆使すべきだ」と強調。現行金融政策の継続が「何よりも大事」として、2%物価目標が「依然として有効であり有用」との認識を示しました。

 大門氏は、副総裁候補2人分の枠のうち、政府や日銀の“行きすぎ”に歯止めをかけるため外部の有識者に1人分を充ててきた慣例に言及。安倍政権が進める金融緩和政策を積極的に進める人物が有識者枠に推薦されたのは異例だとして、日銀の政治からの独立性について見解をただしました。

 若田部氏は「目標について独立性を持っているのではない。政府が決めた目標のなかで、いかに手段の独立性を確保するかということだ」と表明しました。


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