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2018年2月22日(木)

年末年始・住居・扶養手当なし

期間社員格差は不合理 大阪地裁判決

郵政労働者 再び勝利

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(写真)判決をうけて大阪地裁前で喜ぶ支援者ら=21日、大阪地裁前

 広島県や大阪府などで働く日本郵便の期間雇用社員8人(郵政産業労働者ユニオン組合員)が、正社員と手当や休暇の格差があるのは労働契約法違反だとして、格差是正を訴えていた裁判の判決が21日、大阪地裁でありました。内藤裕之裁判長は、年末年始、住居、扶養の各手当の格差を不合理として、差額全額の支払いを認め、会社に約304万円の支払いを命令しました。昨年9月の東京地裁判決に続いて格差の不合理を認めました。夏期・冬期休暇と病気休暇の地位確認の請求は棄却しました。

 労働契約法20条は、雇用期限を理由とした不合理な待遇差を禁止しています。

 日本郵便の期間雇用社員は、年末年始や住居、扶養手当がなく、夏期・年末手当は年間100万円近い格差があります。夏期・冬期休暇もなく、病気休暇は無給で10日のみです。こういった待遇差が合理的格差といえるかが争われていました。

 判決は、年末年始手当について、繁忙期に勤務したことに対して支給される手当の性質に照らして、「同じく年末年始に就労した期間雇用社員にも妥当する」として格差が不合理と判断。住居手当は、期間雇用社員と転勤の範囲が同じ正社員と比較し、格差は不合理としました。

 扶養手当は勤務内容にかかわらず、「扶養親族の有無」に着目して支給される手当の性質などを指摘し、格差は不合理としました。

 原告が是正を求めた10の手当・休暇のうち夏期・年末手当などは「人事上の施策として一定の合理性がある」などとして格差を容認。将来に向けて支給を求めた夏期・冬期休暇と病気休暇については、判断しませんでした。

 判決後に会見した原告代理人の森博行弁護士は、「東京地裁をベースにしてさらに一歩前進している。郵政のみならず、他の一般企業に与える衝撃は大きい」と話しました。

 原告の岡崎徹さん(55)は、「昨年の東京地裁判決を引き継ぐことができて安堵(あんど)の気持ちだ。しかし、賞与が認められなかったのは残念」と話しました。


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