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日本共産党

2018年2月20日(火)

「子どもの下校まで自由な時間はない」「休み時間は教師の休憩時間ではない」

畑野氏、教員の悲鳴代弁

衆院予算委

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 「子どもたちが下校するまで、自分の自由になる時間など全くない」「子どもにとっての休み時間は教師にとっての休憩時間ではない」―。日本共産党の畑野君枝議員は19日の衆院予算委員会で、教員の悲鳴を代弁し、定数の抜本増を強く求めました。

 畑野氏は、義務標準法が想定する小学校教員の1週間の授業の持ちコマ数は26コマだと指摘。ところが文部科学省の調査では、1日当たりの授業にかける時間は4時間25分、単純計算で週約29・4コマになります。畑野氏が確認すると、同省の高橋道和初等中等局長は「その通り」と認めました。

コマ数削減要求

 畑野氏は「週29・4コマとはどういう状況か。ほぼ毎日6時間授業という実態だ」として、持ちコマ数の削減を求めました。林芳正文科相は、2018年度予算案で英語専科教員など1595人を増やしたと答弁。畑野氏が「大臣の答弁は、新学習指導要領で今後増加する英語の授業に対応するためのもので、今ある問題の解決にならない」と追及すると、林文科相は「今でも働き方改革は必要だという問題意識のもと、先生が教えることに集中していくという改革はやっていく」と答えました。

 畑野氏は、小学校教員の声を紹介。「休み時間は『消しゴムがなくなった』『○○ちゃんがけんかしてる』『転んでひざをすりむいた』など、子どもの対応に追われる」「子どもが下校した後も会議や研修が入り、授業準備や宿題の点検、親への対応など、勤務時間後に行っている」「働き方改革というなら、国が責任を持って教員を増やし、1学級の子どもの数を少なくしてほしい。さまざまなスタッフが入っても、専門性のない方も多く、かえって担任の負担が増える」―。千葉県の教職員から組合が集めたアンケートでは、多忙な中でも7~8割の教員が、「授業準備や教材研究」「子どもとのふれあい」にもっと時間をかけたいと願っています。

 畑野氏は、加藤勝信厚生労働相に「教員の働き方改革についてどう考えるのか」と質問。加藤厚労相は「教育を含め、働きすぎによる健康障害があってはならない。働きやすい環境をつくっていく、そのためにも長時間労働の是正が必要だ」と答えました。

正論をねじ曲げ

 畑野氏は、中央教育審議会の学校における働き方改革特別部会の部会長が「本当は教員の定数増を行い、丁寧に子どもに向き合える環境を整備すべきだと思うが、厳しい財政事情もあり、そうした正論を核にすえられなかった」と明かしていることを紹介し、「本当は教員を増やしたいのに正論がねじ曲げられた。教員の働き方改革を邪魔しているのはあなた方政府だ」と批判。「安倍政権は4年連続で教育予算を削り、教員の抜本増に背を向け続けている。35人学級の促進を止めたのも安倍政権だ」と強調し、教員定数増と少人数学級の推進を求めました。


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