しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年2月20日(火)

教員定数増で負担減を

畑野議員 指導要領改訂でコマ数増

衆院予算委

写真

(写真)質問する畑野君枝議員=19日、衆院予算委

 日本共産党の畑野君枝議員は19日の衆院予算委員会で、過労死ライン(月80時間の残業)を超えて働く教員の実情を示し、「長時間労働の解消に見合う教員定数増こそ行うべきだ」と求めました。

 文部科学省の調査では、過労死ラインを超える教員の割合は小学校で33・5%、中学校で57・6%です。持ち帰り残業を含めれば、小学校で57・8%、中学校で74・1%が過労死ライン超えと指摘する研究者もいます。

 畑野氏は、2014年6月に過労自殺した福井県の27歳中学校教員の例を紹介。学級担任、社会と体育の教科指導、野球部の副顧問をしており、休みは月2~3日、4~6月の時間外労働は月128~161時間。残された日記には「今欲しいものは、と問われれば睡眠時間」と書かれていました。

 畑野氏は、背景に授業時数の増加があると指摘。1998年度に比べ、2011年度は授業コマ数が278も増えたとして、長時間労働の原因は「学習指導要領改訂で授業コマ数を増やしたのに、それに見合う定数増をせず、教員1人当たりの持ちコマ数が増えたからだ」と追及しました。文科省の高橋道和初等中等教育局長は「学習指導要領改訂による授業時数の増加が主な要因と考えている」と認めました。

 畑野氏は、定数増に背を向けてきたのは政府だと批判し、「教員の働き方改革を言うなら、教員1人当たりの持ちコマ数を減らし、教員定数増こそ行うべきだ」と重ねて求めました。林芳正文科相は「新学習指導要領の円滑な実施のため、定数を1595人改善した」、麻生太郎財務相は「教職員定数の増加が必要かは事実に基づく議論とPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルの確立等検討していく」と述べましたが、両大臣は教員の抜本的な定数増には触れませんでした。(関連記事)


pageup