2018年2月10日(土)
核兵器禁止条約 署名・批准の可能性調査を
政府に要請 ノルウェー国会が決議
ノルウェー国会(一院制)は8日、昨年の国連会議で採択された核兵器禁止条約に同国が署名・批准する可能性について政府に調査を行うよう求める決議を、賛成56、反対43の賛成多数で可決しました。
ノルウェーは米国主導の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国。米国の「核の傘」のもとにある国の動きとして注目されています。
決議案は社会主義左翼党の議員3人が提出しました。同党のほか労働党、中央党など野党が賛成。与党の保守党と進歩党は反対しました。
決議は、政府に対し、核兵器禁止条約とノルウェーの防衛計画との関係、NATO加盟から生じる法的・政治的な条件との関係について具体的な調査を求めています。スウェーデンやイタリアで同じように行われている調査も参照して研究や検討を行うよう要請しています。調査結果について、2017―18会期中に国会に文書を提出することを求めました。
ソルベルグ首相(保守党)は、核兵器禁止条約はNATO加盟と両立しないとして署名しない意向を示しています。政府の調査結果がどうなるかは予断を許しませんが、今回の決議は、米国の同盟国が条約参加の方向で動く可能性を開きうる突破口として市民社会から歓迎されています。