しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年2月6日(火)

貧困問題「力になる」

志位質問傍聴の生活保護利用者ら感激

 「憲法25条の生存権がすべての国民に保障される日本に」―。5日の衆院予算委員会で日本共産党の志位和夫委員長が行った基本的質疑は、安倍政権が狙う生活保護基準の引き下げ問題に絞ったものでした。傍聴やテレビ中継で見た保護利用者や関係者らは「運動をすすめるうえで力になる」と語りました。


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(写真)傍聴者(手前)と懇談する(正面左から)畑野、志位、しいば、浅野の各氏=5日、衆院第1議員会館内

大阪のシングルマザー

 「志位さんは持ち時間のすべてを生活保護、貧困問題にあてて攻めの姿勢で対峙(たいじ)してくれました。まずそのことにものすごく心を打たれ、元気をもらいました。目がウルウルしました」。こう語るのは、志位委員長が集会での発言を紹介した中学生と小学生の子どもを育てている大阪府内のシングルマザーです。「バッシングがひどい中で、ここまで踏み込んでやってくれる政治家がいることがすごくうれしかった。本当に優しい方だと思います。私たちも声を上げないといけないですね」

 一方、怒りを覚えたのは安倍首相の答弁です。「『首相に』と聞いているのになかなか答えない。やっと答弁したかと思ったら質問に答えず論点そらしでした。結局、子どもの貧困対策に逆行することをやろうとしているのは明らかです」

 生活保護を使いやすくするための共産党の緊急提案には、「スティグマ(偏見、恥辱)をなくすために生活保障法に変えるのはとても良いと思います。捕捉率を上げていってほしい」と語ります。

子ども5人育てる千葉の女性

 全国生活と健康を守る会連合会(全生連・安形義弘会長)は、首都圏の会員に傍聴を呼びかけました。

 千葉県で生活保護を利用し5人の子どもを育てる女性が傍聴に参加しました。

 女性は生活保護を受け始めた当時、保護の利用を恥ずかしいと思う気持ちが強く、利用後も心の中で否定し続けていたと告白。そのうえで志位氏が生活保護引き下げを取り上げたことについて「共産党は本当に一人ひとりを大切にしてくれる。時間を目いっぱい使って質問してくれ、私が持つスティグマを破ってくれた」と喜びを語りました。

 志位委員長が示した「生活保障法」案は、「名称を変えることで受ける印象は大きく変わる。今後保護を利用する人にも間口を広げるものになる」と話し、成立を求めました。

 今まで背中を押し助けてくれていた千葉県生活と健康を守る会連合会の妹尾七重会長(3日死去)とともに来たかったと述べ、「保護利用者は笑っちゃいけないと思っていたが、生健会と関わることで笑えるようになった。今後も子どもたちの能力を精いっぱい伸ばせるように頑張る」と話しました。

全生連の西野氏

 「志位さんの質問に安倍首相も加藤厚労相もきちんと答えていなかった」。こう批判するのは、全生連の西野武事務局長です。「一方、志位さんは質問の中で保護利用者や低所得者の声を代弁していました。この人たちの大きな励みになるし、運動の力にもなります」

 現在、安倍政権が2013年から15年にかけて保護基準を引き下げたことに対し、全国で違憲訴訟が起きています。

 「この判断が決定する前にさらなる引き下げを決めるなど、言語道断です。安倍首相はじめ政府は“貧困の連鎖を断ち切る”というが、それなら保護基準の充実にかじをきることが必要です」

 厚労省は、保護基準引き下げが47の施策に影響を及ぼすと公表しました。

 西野さんは「志位さんも質問の初めに触れたように、生活保護は、すべての国民に影響を及ぼします。保護基準を引き下げれば、社会保障の底が抜けてしまう。志位さんが提案したように、生活保護法を生活保障法に改正し、国民の権利として生活保護を位置付けることが必要です」と強調しました。

懇談のJCPサポーター「対案よかった」

 JCPサポーター会員たちが5日、国会で日本共産党の志位和夫委員長の衆院予算委員会での質問を傍聴しました。質問終了後、志位委員長と傍聴参加者との懇談会にも参加しました。

 志位委員長の質問は、格差拡大、貧困の悪化を認めない安倍首相に真正面から対峙(たいじ)し、憲法25条を生かした政治のあり方を問いました。

 東京都八王子市のサポーター会員(45)=自営業=は初めての国会傍聴。「貧困や生活保護は関心があった問題でした。そこをがっつり志位さんが追及してくれたのはうれしかった」と語りました。JCPサポーター制度については「共産党員でなくても日本共産党にふれあえるのはすばらしい」。

 同じく会員で大津市から参加した男性(22)=大学生=は「政府は低所得者を軽視しているが、共産党は彼らの声を国会にしっかり反映していました。JCPサポーター制度はツイッターで知りました。党員でなくても就職後も関われるし、野党を後押しするためにもという思いで会員になりました」と語りました。

 東京都江戸川区から参加した男性(19)=大学生=は「野党は反対しかしないと言われるが、志位さんの答弁ははっきりしていて対案もちゃんと出していたのが良かったです」と語りました。


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