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日本共産党

2018年2月1日(木)

9条改憲でも混迷

根本に自民改憲案の矛盾

 自民党憲法改正推進本部の全体会合後の記者会見で、岡田直樹同本部事務局長は「次回は自衛隊のことをしっかり議論する」としたうえで、3月25日の党大会までに党改憲案・条文案をまとめる見通しを聞かれたのに対し、「一つの節目だ。そこに向かって努力していく」と述べました。

 今年の通常国会での「改憲発議」を目標に掲げた安倍・自民党は、昨年中の改憲案とりまとめを目標にしてきましたが、9条改憲、緊急事態条項創設などの項目で両論併記の「論点とりまとめ」(昨年末)にとどまっています。31日の論議でも、緊急事態条項創設案の中身をめぐり、意見集約ができませんでした。

 自衛隊明記の9条改憲案をめぐっても、自民党改憲案では戦力不保持を定めた9条2項の削除と国防軍創設を明記しているのに対し、「9条1、2項を残したまま自衛隊を明記する」という「独自案」を安倍晋三首相が突然、提起(昨年5月3日)。これに対し、党内からも、9条2項を残したまま自衛隊を明記することは分かりにくく、「交戦権」を持たないままで「自衛隊を交戦させるのか」などの疑問が噴出しています。

 混迷の根底にあるのは、9条2項の削除を目指す自民党本来の改憲案が国民に受け入れられないという矛盾です。「2項を残せば国民の警戒感を緩和できる」というもくろみのもと、自衛隊加憲案が出されました。しかし、2項を残しても、自衛隊を憲法に「格上げ」することで2項を空文化し、海外で無制限の武力行使を可能にするという狙いに国民の不信が広がっています。

 憲法に自衛隊を書くが、2項との関係やその権限・任務を明記せず「解釈」に任せるなら、権力を制限できない憲法に変質するという問題も生じます。矛盾の堂々巡りに陥っています。(中祖寅一)


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