しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年6月25日(火)

きょうの潮流

 災害派遣精神医療チーム「DPAT(ディーパット)」。地震や水害などの自然災害や犯罪事件、航空機・列車事故などの集団災害が起きた時、精神科医療や保健福祉活動を支援する専門的チームです▼精神科医師、看護師、業務調整員らを中心に構成。ニーズに応じて、児童精神科医や薬剤師、保健師らもチームに加わります。発災から約48時間以内に活動するのが先遣隊。本部機能の立ち上げや急性期の精神科医療ニーズの対応などにあたります▼標準的な派遣日数は移動日が2日、活動日が5日の1週間ですが、必要があれば数週間から数カ月継続することも。最新の調査によれば全国の登録医療機関数は420、登録隊員数は4279人です▼能登半島地震でもDPATは力を発揮しました。地震翌日、石川県DPAT調整本部と能登医療圏活動拠点本部を設置。1月4日には県外の先遣隊が派遣活動を始めています▼災害・地域精神医学の専門家である太刀川弘和さんは、茨城県の隊員です。茨城DPATは東日本大震災や豪雨による水害、熊本地震、台風被害、新型コロナなどで活動。今回もチームの一員として能登半島へ向かいました。道路の寸断で支援が遅れ、精神障害者の症状が悪化し、支援者も疲弊。多くの集落や被災者が孤立し、孤独からの自殺問題も起きているといいます▼昨今の災害に比べても、能登半島地震での復旧の遅れは、はなはだしい。「被災者を取り残さないことが大事です」。太刀川さんのこの言葉が胸に刺さります。


pageup