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2024年6月24日(月)

きょうの潮流

 私が私を証明できない―。そんな社会が訪れています▼今では必需品のスマホ・携帯電話。契約の際、窓口で本人確認書類の提示を求められます。かつては健康保険証があれば契約できました。ところが現在、大手の携帯電話会社は保険証を本人確認書類として認めていません。理由は顔写真がないから▼では、顔写真のあるパスポートなら? 残念ながら2020年2月以降に発行された新パスポートには住所記載欄がないので使えません。運転免許証は高齢者で返納する人も多く、持っていない人は少なくありません▼もちろん、マイナンバーカードは本人確認書類として有効です。しかし昨年、マイナンバーをめぐる度重なるトラブルで国民の信用はがた落ち。いまだにマイナ保険証の利用率は7%そこそこ。取得は任意なのでカードを持たない人もいます▼政府は運転免許証の偽造などの犯罪対策として、インターネットなど非対面の携帯電話の契約では、本人確認をマイナンバーカードに一本化する方針を決めました。今後は対面(店舗の窓口等)でもマイナンバーカードや運転免許証のICチップの読み取りを義務化します。本人確認で“詰む”人が続出するのでは…▼スマホを持てないというだけではありません。自分が自分であることを証明できない。憲法には「すべて国民は、個人として尊重される」と。あなたも私も国民なのに、マイナンバーカードがないと「あなたはだれなの?」と疑われる。なんて薄ら寒い社会でしょうか。


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