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2024年6月22日(土)

きょうの潮流

 4月に検定に合格した中学校の歴史教科書が沖縄戦に関して「中学生から高校生の男女」が「志願というかたちで学徒隊に編入」されたと記述しています。地元紙は、日本軍による住民の「根こそぎ動員」の一環であり、「志願」とするのは不適切な記述だと批判しています▼問題の教科書は作家の竹田恒泰氏が代表取締役である令和書籍の『国史教科書』。「国史」という言葉自体が戦前の教科書の表題です。内容も、冒頭から『古事記』の「国生み神話」が登場し、歴代天皇の記述が多数あるなど戦前の国定教科書をほうふつとさせるものです▼日本の侵略戦争について「快進撃」と記し、特攻隊の死を「散華」と表現しています。花が散るように華々しく死ぬという意味です。「慰安婦」に関しては「日本軍が朝鮮の女性を強制連行した事実はなく」などと、強制性がなかったかのように描いています▼文部科学省はこんな教科書を合格させる一方で「従軍慰安婦」「強制連行」という用語は適切でないとした閣議決定を理由に、教科書を書き換えさせています。中学生に何を教えて、何を教えたくないのか。意図がありありです▼今年は中学校で使う教科書が新たに決められる年です。検定では令和書籍以外にも育鵬社など侵略戦争を美化する教科書が合格しています▼戦争を美化する教科書を中学生に渡すわけにはいきません。どのような教科書を使うか、現場教員の意見を尊重し、保護者・住民の声も反映させることが大切になっています。


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