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2024年6月18日(火)

きょうの潮流

 一粒のお米には七人の神様が宿るとの言い伝えがあります。太陽、水、土、風、雲、虫、そして作り手です。どれも米作りに欠かせず、そこからきたという説も▼一粒一粒の状態によっておいしさも変わりますが、今年は白く濁ったり、小粒の米が目立つそう。いわれてみれば、最近買った5キロ米も白っぽく粒が小さい。去年の猛暑が品質に影響したといいます▼昨年8月の平均気温が30・6度と全国トップを記録した米どころ新潟でも、「1等米」の比率が過去最低の水準に。日照りに不作なしとはいうものの、昨今の暑さは稲にも高温障害をもたらすほどです▼品質の低下や不作によって値段も上がっています。5月の米価格はすべての銘柄の平均で60キロあたり1万5500円余り。前年の同じ時期に比べて12%高くなりました。これで3カ月連続の値上げ。コロナ禍が明けて米の消費量が増えるなか、需要と供給のバランスが崩れ価格が上がってきています▼主食の米までも。しかし政府は「ひっ迫している状況ではない」(坂本農水相)と楽観視しています。世界を覆う異常気象の影響は一過性ではなく、早急な値上げ対策も求められているのに。4割を切るこの国の食料自給率も懸念されています▼米の自給率はまだ99%ですが、資材の高騰や後継者不足をはじめ生産現場は深刻です。それなのに岸田政権は農家への保障や自給率の向上を投げ捨て、さらに輸入に依存しようと。これでは、米一粒に宿る恵みも作り手の苦労も報われません。


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