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2024年6月12日(水)

きょうの潮流

 淡い青から鮮やかな濃い青へ。公募によって付けられた名前は「開成ブルー」。花の色の変化が楽しめるアジサイの前で大勢が足をとめて見入っていました▼神奈川・足柄上郡にある開成町でいま「あじさいまつり」が開かれています。東京ドーム3・6個分の田園に咲き誇る5千株ものアジサイ。色とりどりの中をゆっくりと散策する人びと。安らいだ時間が流れていきます▼全国的な梅雨入りはまだ先のようですが、暦の上では入梅。すでに見ごろを迎えているアジサイも各地で。サクラ同様、近年はアジサイの開花も全国的に早い傾向にあるといいます。原因は気温の上昇で、こうした変化はさまざまに表れています▼「今年はスーパーの店頭に梅の実が並ばない」。読者の投稿にありました。暖冬の影響でウメが不作となり梅酒づくりができない、年に一度のささやかな楽しみが奪われてしまった、身近な出来事から気候問題を実感させられたと▼これから旬のスルメイカも記録的な不漁が続いています。イカの街・北海道函館の初水揚げではゼロの船も。「たったこれだけ…」と、前代未聞のことに漁師たちもあきれ顔でした。私たちは古くからの季節の移ろいが通用しない時代へと突入しています▼温室効果ガスの削減はもちろん、自然環境を保全し復元する努力が求められているとき。それなのに東京や大阪をはじめ大量の樹木伐採が進められています。うるおいのない、乾ききった都市。その姿は、人間のくらしをも映すかのように。


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