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2024年6月8日(土)

きょうの潮流

 なぜ多くの人びとをさらに死地へ追いやる決断をしたのか。答えの手がかりは、祖父の辞世の句にあると本紙に語っていました▼沖縄戦を指揮した日本軍の牛島満司令官。その孫の牛島貞満さんは「住民に多大な犠牲を強いた二つの命令を下している」といいます。首里司令部の陥落後に南部撤退を決めたこと。そして自決前に「最後まで敢闘し悠久の大義に生くべし」と終わりなき戦いを命じたことです▼その際に詠んだ句が〈秋待たで枯れ行く島の青草は皇国(みくに)の春に甦(よみがえ)らなむ〉。秋を待たずに枯れる沖縄の若者の命は、本土決戦に勝利して春になった天皇中心の国によみがえるだろう。そのために沖縄の人たちや自軍が犠牲になるというのが祖父の考えだったと▼それを掲げることがどんな意味をもつのかわからないのか。那覇市に拠点をおく陸上自衛隊第15旅団がホームページにこの辞世の句を掲載しています。住民を含めた沖縄戦の犠牲者を「英霊」とする初代指揮官の訓示とともに▼岸田政権が永遠のパートナーともちあげる米国の対中戦略のもとで、最前線として軍事要塞(ようさい)化が進められている沖縄。またも「捨て石」にしようというのか。自衛隊や基地の増強も強行されています▼戦争か平和の道かが問われる沖縄県議選が告示されました。16日投票までの選挙戦は沖縄戦の悲惨を凝縮した南部彷徨(ほうこう)の日々と重なります。基地のない平和な島をめざすデニー県政を支える、共産党とオール沖縄の勝利を。ふたたび戦場にさせないためにも。


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