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2024年6月2日(日)

きょうの潮流

 梅雨入り前の青空に子どもたちの歓声が響きました。1日、石川・珠洲市の住民が開いた運動会。みんな一緒に思いきり体を動かし、笑顔がひろがりました▼一方で、輪島市の仮設住宅では独り暮らしの70代女性が亡くなっていました。孤独死とみられています。元日の地震後、自宅から避難した女性は4月に仮設住宅へ。ひとりで入居していたといいます▼能登半島地震の発生から5カ月がたちました。避難生活で体調を崩したことなどによる「災害関連死」は30人と認定され、遺族からの審査申請も相次いでいます。今後さらに増えるとみられ、助かった命を守り抜くとりくみが急がれます▼被災地の取材でこんな声を聞きました。地震後しばらく車中泊で過ごしていたが、体がきつくなって避難所へ。しかし、床に雑魚寝のような環境と、他人に気をつかう日々にほとほと疲れ、また車に戻ったと▼熊本地震では死者の8割を占めた災害関連死の主な原因を、高齢者などの要配慮者が慣れない環境で長期間の避難生活を強いられたことによる肉体的・精神的負担としています。関連死を防ぐために、国や自治体は被災者の見守りや健康面のケア、地域の再生に力を注ぐときです▼それなのに政府の対応は遅々として進まず、石川県も万博に予算をふりむけています。被災地では地域のつながりをとりもどそうとする動きもはじまっています。命を守る、被災地に寄り添うというならば、前に進もうする思いにこたえる手だてこそ尽くすべきです。


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