しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年2月28日(水)

「国際法を見て見ぬふり」

紛争当事国を国連総長批判

 【ワシントン=石黒みずほ】グテレス国連事務総長は26日、スイス・ジュネーブで始まった国連人権理事会で演説し、世界各地で起こる紛争について「紛争当事国は国際法に対し見て見ぬふりをしている」と非難し、国際人権法・人道法の順守を各国に求めました。

 グテレス氏は、大国が競争し、緊張が高まるなか、「法の支配や戦時国際法が弱められている」と指摘。ロシアによるウクライナ侵略やイスラエルのパレスチナ自治区ガザへの侵攻をめぐり、国連安全保障理事会が団結できないことが「その権限を致命的なまでに弱体化させている」として、安保理改革の必要性を改めて訴えました。

 グテレス氏は、「国際人権法や国際人道法は明確だ」と述べ、民間人やインフラへの攻撃、集団懲罰、民間人を盾とすることなどは禁止されていると強調。「一方の違反は、他方の順守義務を免除するものではない。われわれは、繰り返される恐ろしい国際人道法・人権法の違反に感覚をまひさせてはならない」と述べました。

 パレスチナのガザ地区最南部ラファについては、100万人以上が避難し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が主力を担う人道支援活動の拠点となっていると指摘。イスラエル軍がラファに本格侵攻すれば、「民間人を恐怖に陥れるだけでなく、われわれの支援活動へのとどめの一撃となるだろう」と警告しました。グテレス氏は、人道的停戦とイスラム組織ハマスが拘束する人質の無条件解放を強く要求しました。


pageup