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2024年2月24日(土)

きょうの潮流

 時折お日さまとか、おいしいご飯とか、子どものおしゃべりとか、慣れ親しんだものを楽しんでいる最中に、あのブーンという音が飛び込んでくる。その時に気づくんです。何もかも、以前とは違うのだと…▼戦禍のウクライナで避難する市民から詩人が聞きとった『戦争語彙(ごい)集』。日本でもロバート・キャンベルさんの訳で出版されています。ごく普通に生きていた人びとが平和な暮らしから切り離され、一方的な暴力にさらされる。その日々がありのままに▼通りはバリケードに、浴槽は身を守る場所へ。恋愛は別れとなり、きれいなものは危険を意味する言葉に。日常の風景や大切な思い出が、戦争によって変わってしまった悲しみが伝わります▼ロシアの軍事侵攻から2年。今も命が奪われ、生活や街が破壊されていく現実があります。戦時下にある子どもたちの苦しみや残された家族の不安。それは本紙特派員の記事からも▼長引く戦闘による疲弊や兵力不足、ロシア軍の攻勢。悲観論がひろがるなか、国際社会の協力や市民の声が支えになっています。昨年末のウクライナの世論調査では減少したとはいえ7割以上が「領土を譲歩すべきではない」と答えています▼「我々の歴史的な領土」と侵略を正当化するプーチン大統領。対して、世界の大勢は力による領土の切り取りは歴史の遺物だと。先の本に「悦(よろこ)び」と題する一編があります。「彼らは、確かにわたしからすべてのものを奪ったけれど―大切な日々を引き渡すことはしません」


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