2023年5月30日(火)
マイナ混乱 背景に強引普及
「保険証」運用中止せよ
山下氏、政府の姿勢追及 参院特別委
日本共産党の山下芳生議員は29日の参院地方創生デジタル特別委員会で、マイナンバーカードに関するトラブルが多発している背景には、メリットばかりを強調し、急激な普及と用途拡大を押し付けてきた政府の姿勢があると追及し、命がかかわる問題となっている以上、「マイナ保険証」の運用は一時中止すべきだと求めました。(医療現場のトラブル)
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「マイナ保険証」への別人の医療情報のひも付けや口座の誤登録など一連のトラブルについて、「憲法が保障する国民の生存権などを脅かす深刻な問題だという認識はあるのか」と山下氏がただすと、河野太郎デジタル相は「間違ったデータをもとに医療が行われ健康に被害が及べば深刻なトラブルだ。個人情報が保護されないことは個人の尊厳にもかかわる重大な事案だ」「口座登録の誤りは財産権にも関係する」と認めました。山下氏は、それならば原因の究明と再発防止が図られるまで運用を停止するのは当たり前だと主張しました。
その上で、山下氏は、政府が、健康保険証の廃止というムチと2万円分のポイント付与というアメでカードの普及と用途拡大を急激に推進してきた結果、自治体や健康保険組合など現場の対応が追い付かなくなったことが各種のトラブルが多発する大きな原因となっていると指摘。自治体の現場からは、申請が殺到するなかで業務が民間に委託され、アルバイトによって、十分な研修も受けられずに担われたことなどが、今回の事態につながっているとの声があがっていると告発しました。
河野氏は「マニュアル通りにすれば誤登録は防げた」などと答弁。山下氏は、リスクを説明せずメリットしか語らない大臣の発信のもとでトラブルが多発していると批判しました。