2022年5月19日(木)
侮辱罪厳罰化の改定案 刑法の根幹変える重大問題
本村氏批判
衆院法務委可決 共産党など反対
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侮辱罪厳罰化と禁錮・懲役を廃止し、「拘禁刑」創設を盛り込んだ刑法改定案が18日、衆院法務委員会で自民、公明、維新、国民の各党の賛成多数で可決されました。日本共産党などは反対しました。
日本共産党の本村伸子議員は討論で、侮辱罪の厳罰化は「正当な言論を萎縮させ、表現の自由を脅かし、到底許されない」と批判。また、「拘禁刑」について受刑者に作業と指導を強制するもので、被拘禁者処遇を定めた国際基準にも反すると指摘しました。そのうえで、刑法の根幹を変える重大な問題だとして「権力者の乱用の恐れがある本法案は断じて認められない」と主張しました。
質疑で本村氏は、侮辱罪に関して、「北海道警やじ排除事件は何度も繰り返し質問しているが反省が見られない」と批判しました。
また、本村氏は「国連被拘禁者処遇最低基準規則」では、被拘禁者への「支援の提供」の義務を定めており、自由刑の禁錮と懲役を一本化する「拘禁刑」は、この国際潮流に逆行する大問題だと指摘。「本来は、拘禁刑の執行に際し、受刑者の自覚に訴え、必要な処遇の機会を提供するための法改正こそが必要だ」と強調しました。
さらに、古川禎久法相が「矯正処遇に対する受刑者の希望、意欲などを丁寧に聴取し、動機づけを高めるための働きかけを手厚く行う」と述べたことに対し、本村氏は「予算と人員確保が必要だ」と要求。古川法相は「必要な人的、物的体制の整備に努める」と答えました。