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2022年5月19日(木)

栄養不良児激増の恐れ

ユニセフ警告 食料危機で治療食高騰

 国連児童基金(ユニセフ)は17日に報告書を発表し、ロシアのウクライナ侵略や新型コロナウイルスのパンデミックにより深刻化する食料危機で、命を守るための栄養治療を受けられなくなる子どもが60万人増える可能性があると警鐘を鳴らしました。

 世界では現在、少なくとも1360万人の5歳未満児が重度の消耗症(身長に対し体重が少なすぎるため免疫力が低下している状態)に苦しんでいます。

 報告書は、そのうち少なくとも1000万人が治療食「すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)」を入手できない状態にあると指摘。RUTFは、ピーナツ、砂糖、油、粉ミルクを原料にした栄養素ペーストですが、原料費の高騰で、今後6カ月で価格が最大16%上昇すると予測されており、命を救う治療が受けられなくなる可能性が高まっています。

 あわせて気候変動も食料危機を悪化させ、壊滅的なレベルの栄養不良を招くと指摘。比較的安定していたウガンダなどの国でも、2016年比で子どもの消耗症が40%以上増えているとしています。

 ユニセフのラッセル事務局長は「世界は、消耗症に苦しむ子どもが増加するような一触即発の状況に急速に近づいている」と述べ、支援の強化を呼びかけました。ユニセフは追加支援によって子どもの死亡率は劇的に減らせると指摘。消耗症への対策費を大幅に増額することなどを求めました。


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