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2022年5月17日(火)

きょうの潮流

 「漁師の家で育ち、マグロ船・第五海福丸の機関士見習いになった。甲板で網を引き揚げる作業もした。戻った東京の港で放射能を測るガイガー検査を受けた。網をもつ軍手や帽子に値が高かったのを覚えている」▼アメリカが太平洋ビキニ環礁で行った水爆核実験(1954年)で被災した小笠原勝さん。「ビキニデーin高知」集会でこう証言しました。米ソ冷戦の時代、軍事戦略上の核実験で被災した民間漁船は約1000隻、生活と生業(なりわい)が奪われた人たちは数万人規模と推定されます▼国連の中満泉軍縮担当上級代表はロシアが核使用を威嚇しウクライナ侵略を続ける中、集会に寄せたメッセージで「この破壊的な核実験から約70年たった今、核兵器が使用されるかもしれない可能性が冷戦の最盛期以来最も高くなっています」と表明。高知集会は、「すべての核実験を禁止する必要性と、包括的核実験禁止条約・CTBTの早急な発効の重要性を強調するタイムリーな機会」だと国際的な意義を強調しました▼同集会はビキニ事件を知らない40代から大学生も実行委員になりました。集会宣言に思いを込め「即戦力にはなれずとも、寄り添う努力を重ね『核のない世界』実現に共に歩みたい」と▼被爆者と核実験被害者の救済を盛り込んだ核兵器禁止条約。その第1回締約国会議が6月にあります▼「核実験被害を告発する代表を派遣したい」との決意表明に、『核実験被ばく者の真実』(赤旗編集局編)の共同執筆者として拍手を送りたい。


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