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2022年5月14日(土)

天の川銀河 ブラックホール撮れた

国際観測チーム

写真

(写真)初めて撮影した天の川銀河中心にある巨大ブラックホール(EHTコラボレーション提供)

 地球が属する天の川銀河(銀河系)の中心に存在する巨大ブラックホール「いて座A*(エースター)」の姿の直接撮影に初めて成功したと、日本も参加する国際観測チームが12日夜、発表しました。多くの銀河の中心に存在すると考えられている巨大ブラックホールの働きについて貴重な手がかりになると期待されます。

 いて座A*は、地球から約2万7000光年の距離にあり、太陽の400万倍の質量をもつ巨大ブラックホール。自らは光を放たない漆黒の天体ですが、周囲の高温ガスが放つ光(電波)が強力な重力で曲げられ、明るいリング状の構造に縁どられた暗い領域としてその存在がはっきりと映しだされました。

 ブラックホールの直径は約6000万キロメートル。地球からの見かけの大きさは、月面に置いた直径約8センチメートルのドーナツほどしかありません。

 研究チームは、南米チリのアルマ望遠鏡のほかスペイン、米国、ハワイなど8基の電波望遠鏡を結んだ観測網を構築し、地球サイズの望遠鏡を仮想的に作り上げ、2017年4月に同時観測。スーパーコンピューターを駆使してデータを組み合わせるなど約5年かけて解析しました。

 日本チーム代表の本間希樹(ほんま・まれき)国立天文台教授は会見で「天の川中心にあるブラックホールは(地球から)一番近いからこそ精密にいろいろなことが分かる。相対性理論の検証など非常に重要な実験場になる」と期待を込めました。


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