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2022年5月13日(金)

二つの大逆行許さず沖縄県「建議書」実行を

本土復帰50年 志位委員長が会見

 日本共産党の志位和夫委員長は12日、国会内で記者会見し、15日に迎える沖縄県の本土復帰50年にあたって、党の立場を表明しました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=12日、国会内

 志位氏は、50年前の復帰の際に、当時の琉球政府の屋良朝苗主席が出した「建議書」は、「復帰に込めた県民の願いを凝縮した歴史的な文書だ」と指摘。建議書の中で特に強く訴えられた点として、(1)平和憲法のもとで基本的人権を保障する(2)基地のない平和な沖縄への復帰―をあげ、「屋良主席は当時、“沖縄にはあってはならない現実がある”と言い、米軍基地の異常な重圧のもとにおかれ人権が保障されていない実態を告発し、その事実を踏まえて『建議書』を提起した。ここに復帰の原点がある」と強調しました。

 そのうえで、志位氏は、50年たって二つの問題がどうなったかについて、「米軍基地の重圧は続き、さまざまな事故・事件が起こり、沖縄県民の平和に生きる権利、基本的人権が日々侵害されている。屋良主席が指摘した大問題は50年たっても変わっていないというのが現状だ」と述べました。

 志位氏は、そうした中で岸田政権は二つの大逆行を進めていると厳しく批判しました。

 一つは、本土復帰から50年たった今の段階で、新たな巨大な米軍基地を押し付けようとしていることです。志位氏は、「辺野古の新基地建設を『唯一の選択肢』だといって問答無用で県民に押し付けようとしている。“100年、200年先まで使えるような巨大基地をこれからつくるのか、とんでもない”という県民の気持ちは当然だ」と強調しました。

 もう一つは、沖縄県民がそのもとへの復帰を希求した平和憲法そのものを壊そうとしていることです。志位氏は、「『敵基地攻撃能力保有』や、GDP(国内総生産)比2%への大軍拡、憲法9条の改定―この大合唱が起きている」と指摘。「沖縄県民の願いに背く二つの逆行は絶対に許さないという立場で頑張りぬきたい」と決意を語りました。

 そのうえで、志位氏は、沖縄県の玉城デニー知事が復帰50年の節目にあたって作成した新たな「建議書」について、「復帰後も続いた沖縄の苦難、現状、直面している課題をしっかり書き込んだ、道理ある提案になっている」と強調しました。

 「建議書」の中で示された4項目として、(1)沖縄の本土復帰において「沖縄を平和の島とする」ことが沖縄県と政府の共通の目標であることを確認し、基地のない沖縄の実現に取り組む(2)在沖米軍基地の整理・縮小、日米地位協定の抜本的見直し、普天間飛行場の速やかな運用停止を含む一日も早い危険性の除去、辺野古新基地建設の断念等の沖縄の基地問題の早期の解決(3)日本国憲法が保障する「民主主義」と「地方自治」について、正当な手続きにより示された民意や地方自治体の判断と責任の原則を尊重する(4)武力による抑止ではなく平和的な外交・対話により緊張緩和と信頼醸成を図ることで地域の平和の構築を図る―を紹介。「とくに軍事的抑止力強化に頼ることに対して、『悲惨な沖縄戦を経験した県民の平和を希求する思いとは全く相いれるものではありません』と述べられている。『抑止力』の名で軍事力強化、『敵基地攻撃』、9条の改定などさまざまな大合唱が起きているが、県民の気持ちと相いれないとこれを厳しく退け、外交による信頼醸成、平和創出に取り組むことを強く求めていることは大事な点だ」と強調しました。

 志位氏は、「『建議書』で示された四つの項目について、政府として重く受け止め、この実現に力を尽くすべきだと強く求めたい」と述べました。


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