2022年4月29日(金)
またも核威嚇 プーチン発言
第三国介入に「反撃」、けん制
ロシアのプーチン大統領は27日、第2の都市サンクトペテルブルクで演説し、第三国がロシアのウクライナ侵略への介入を意図し、「われわれ(ロシア)にとって受け入れがたい戦略的脅威をつくりだそうとする」ならば、「電撃的で素早い反撃にあうことを相手は知らなければならない」と述べました。これについて英BBC放送は、核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の使用を示唆したと報じました。
ロシア大統領府が公表した演説全文によると、プーチン大統領はロシアの「特別軍事作戦(ウクライナ侵略)」について、「ウクライナ政府が核兵器保有を要求し、欧米はウクライナに近代兵器を間断なく供与している」中で、「正しいものだった」と改めて正当化。介入する第三国への反撃は、ロシア以外のどの国も保有していないものも含め「すべての手段がある」と強調。「もし必要になるならば、われわれは保有しているとはったりをかけるのではなく、使用する」と語りました。
使用する可能性のある兵器には、ロシア国防省が先に実験成功を発表したICBM「サルマト」や、小型核兵器などが含まれるとみられます。ウクライナへの武器供与など軍事支援を強化する欧米側をけん制、威嚇する発言です。
ロシアの核使用の可能性については、ラブロフ外相が25日に言及したばかり。プーチン氏自らが2月27日に、核戦力の「特別態勢」移行を命令したのが最初ですが、その後も続いています。
プーチン大統領の今回の演説を受け、米国防総省のカービー報道官は27日の記者会見で「ロシアの指導者たちが核兵器による衝突の危険をあおる発言を行っているのは、無責任だ」と批判しました。