2022年4月26日(火)
薬機法等改正案 倉林議員の質問(要旨)
参院本会議
日本共産党の倉林明子議員が22日の参院本会議で行った「医薬品医療機器等の品質、有効性・安全性等確保法」(薬機法)等改正案に対する質問(要旨)は次の通りです。
日本ではジフテリア事件や薬害エイズ事件など、ワクチンなどが引き起こした健康被害が繰り返されました。悲惨な薬害の教訓を忘れてはなりません。
新設される緊急承認では、平時の薬事承認を規定する薬機法に、「緊急時には、有効性が『推定』された段階での承認を可能」とする例外規定が盛り込まれます。これまで第三相試験で有効性・安全性を確認、考慮した上で承認してきた薬事承認の大原則が崩れないかが問われます。
緊急承認は、適用する医薬品等は政令で指定しますが、衆院では「政府が政策的に総合的に勘案」と答弁しています。緊急事態であることを、誰が、どう判断するのか。
適用対象の条件は「緊急に使用されることが必要な医薬品等について、他に代替手段が存在しない場合」としています。衆院では「原子力事故やバイオテロ等による健康被害」も「該当し得る」と答弁しています。立法事実がパンデミック対応であるにもかかわらず、なぜ原子力事故やバイオテロも含まれるのでしょうか。なぜ緊急事態に限定される承認のあり方を通常の薬機法に盛り込むのでしょうか。
緊急承認を受けた医薬品等は、2年以内に通常の薬事承認を申請する必要があり、1年延長できます。延長回数は1回に限る旨を法文上で明記すべきではありませんか。
承認申請の際の提出資料は、「原則、通常の承認と同様に第三相臨床試験の結果の提出を求める」としています。ならば、期限内の承認申請で「臨床試験の試験成績に関する資料」を明記すべきではありませんか。厚労省は「リアルワールドデータの提出を求める場合もある」としています。リアルワールドデータと、臨床試験の成績データにはどのような違いがあるのか。
健康被害の救済について、新型コロナワクチン接種後の死亡例は1635件ですが、ワクチンとの因果関係が認められず、救済事例はありません。因果関係が否定できないものは救済すべきではありませんか。
法案では、マイナンバーカードの保険証利用によるオンライン資格確認システムを活用して電子処方箋を創設しますが、資格確認システムはトラブルが相次ぎ延期されました。要因をご説明ください。政府は、顔認証付きカードリーダーの導入にのみ財政支援を行い、セキュリティー対策やシステム維持・管理は医療機関の自己責任です。医療機関を守るサイバーセキュリティー対策に国が責任をもって取り組むべきではありませんか。