2022年4月16日(土)
消費者保護の提案難渋
契約法改定案 本村氏質問に参考人
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衆院消費者問題特別委員会は12日、消費者契約法改定案について参考人質疑を行い、参考人が陳述しました。
日弁連の野々山宏消費者問題対策委員会幹事は、法案は「消費者契約に関する検討会報告書が求めた提案の多くが実現していない。困惑類型の脱法防止規定、消費者の心理状態に着目した規定、消費者の判断力に着目した規定という三つの取消権、不当条項規定や消費者の立証責任軽減措置の多くが抜けている」と指摘しました。
河上正二東大名誉教授は「高齢者、若年成人らの判断力・経験不足につけこみ、不当な利益を上げる事業者から消費者を保護するための取消権の提案が、なぜ難渋するのか」と発言。全国消費者団体連絡会の三谷和央事務局次長は「報告書で提案された重要論点が実現できなかった経緯、理由を明らかにしてほしい」として、今後は「既存の枠にとらわれない抜本的な議論が必要だ」と述べました。
質疑で日本共産党の本村伸子議員は、高齢者が家を売却して住まいを失った事案を救済するなど判断力に着目した取消権について、「従来の取消権を超える側面がある」との政府答弁について質問。野々山氏は「現在の消費者契約法の規定に照らして誤っている」と答えました。