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2022年4月16日(土)

コロナ危機と物価高騰からくらしと営業を守る緊急の経済対策

―政府に対し、ただちに補正予算の検討に入ることを求める―

2022年4月15日 日本共産党国会議員団

 コロナ危機によって景気の低迷、生活の困難が長期に及んでいるところに、ガソリン、食料品、電気料金をはじめ物価の高騰がおそいかかり、くらしと営業は深刻な打撃を受けている。ところが政府は、いまだにその対策をとろうとしていない。

 現在の物価高騰と国民生活の困難は、(1)コロナからの経済回復にともなう世界的な需要増による国際価格の高騰、(2)日銀の「異次元の金融緩和」政策による円安誘導と輸入価格の上昇、(3)ロシアのウクライナ侵略と経済制裁によるエネルギーや小麦価格の上昇、という複合的な要因によるものである。

 この間の新自由主義、アベノミクスによって日本経済が「もろくて弱い経済」になってしまっているなかで起きていることが、国民のくらしと営業に一層深刻な打撃を与えている。

 したがって、くらしと営業を根本的に立て直すためには、日本経済の体質を変える抜本的な改革をすすめなければならないが、当面のくらしと営業を守るために、緊急に補正予算を編成し、次の対策をとるよう求める。

【価格対策】

○消費税を直ちに5%に引き下げ、インボイスは中止する。

○原油価格高騰対策として

・トリガー条項の発動を含む卸売価格の引き下げをはかる。

・飲食店、運輸業、中小製造業など事業用燃油の価格を引き下げる。

・農業、漁業用の燃油価格を引き下げる。

○小麦の政府売り渡し価格を引き下げる。

○消費税納税困難事業者に対する減免措置を実施する。

○急激な物価高騰に対応して生活保護基準を引き上げること。

【生活困窮対策】

○住民税非課税世帯に限定せず、困窮者に対する給付金を拡大する。

○小学校休業等対応助成金、支援金を継続する。

○小中学校の給食費を無償化する。

○アルバイト収入が減少した学生等への生活支援給付をおこなう。

○特例貸付制度利用者に対する返済免除の要件を緩和する。

○住宅確保給付金の対象拡大と延長をおこなう。

【社会保障】

○年金減額をストップする。

○後期高齢者の医療費窓口負担増を凍結する。

【賃金引き上げ】

○最低賃金を時給1500円に引き上げる(10兆円規模の中小企業への賃金引き上げ支援)。

○大企業への内部留保課税を新設し、税収増、不公平是正をはかるとともに賃金引き上げに誘導する。

○ケア労働者へのまともな賃上げを実現する。

【中小企業・営業対策】

○事業復活支援金を少なくとも持続化給付金並みに拡充し、家賃支援等給付金を再支給する。

【農業対策】

○過剰米の国による全量買い上げを実施する。

○水田活用の直接支払い交付金に係る交付要件減額方針を見直す。

○肥料・配合飼料価格安定のための財政措置を新たにもうける。

【エネルギー対策】

○再生可能エネルギーによる自給率の抜本的向上をはかり、ロシア産石炭の輸入禁止を理由とした、原発依存をやめる。

○九州電力ですでに行われ、新たに四国電力、東北電力が実施した太陽光発電等の再生可能エネルギーの「出力抑制」を中止する。

【財政・金融対策】

○円安を誘導し、輸入物価を引き上げる「異次元の金融緩和」政策からの抜本的転換をはかる。


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