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2022年4月10日(日)

外環道 工事続行やめよ

危険な工法 陥没の恐れ

東京・三鷹 住民が報告集会

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(写真)外環道の報告集会で発言する住民ら=9日、東京都三鷹市

 東京都調布市で陥没事故が起きた東京外かく環状道路の工事をめぐり、東京地裁による工事差し止め仮処分決定を受けて「東京外環道訴訟を支える会」は9日、東京都三鷹市で報告集会を開き、会場とネット合わせて80人が参加しました。今も工事が続けられている区間の住民からは「生活がむしばまれる」と不安の声が上がりました。

 掘削工事をめぐっては東京地裁が2月28日、一部工事区間の中止を命じました。住民側は、他の区間の工事中止を命じなかったのは不服として、全区間の工事中止を求めて3月14日、東京高裁に即時抗告しています。

 住民側は、地下40メートル以深の大深度地下を巨大掘削機(シールドマシン)が掘進する工法に問題があるとして、国と東日本高速道路(NEXCO東日本)などに工事の中止を求めています。

 集会では、原告筆頭で杉並区の岡田光生さんが「杉並区や三鷹市など(陥没地点の)北側でも振動や地盤が緩むなどの被害が出ている。同じ被害に遭う可能性がある」と不安を口にします。

 弁護団の武内更一弁護士は、「国策事業の工事が差し止められたことには意義がある」と指摘。地盤を緩ませ陥没等の恐れがある工事は「違法」であること、事業者が具体的な再発防止策を出せなかったことなどを指摘しました。

 地裁の決定は「再発防止の具体策が示されておらず、陥没が生じた恐れがある」「有効な対策が採られないまま同じ工法で工事が再開されれば身体や生命に危険が生じるおそれがある」としています。

 武内氏は「事業者はトンネルの直上だけが緩んでいると主張したが、裁判所は直上でなくても危険であると判断した」と述べました。東日本高速道路は、トンネルの直上以外の住民宅の移転・買い取りに動き出しています。

 NPO法人市民科学研究室の上田昌文さんは、「事業者側が工事による振動・低周波音の被害を想定していない。建物被害のメカニズムを説明なく個別補償で済ませている」と指摘。振動など被害の聞き取り調査では、シールドマシンの進行時期と被害時期との相関は極めて高いと語りました。

 原告で調布市在住の丸山重威さんは、「裁判所は『危険なので地下のマシンを止めるしかない』と判断した。憲法違反の大深度地下法によって、事業者が住民の了解もなく工事を始め、勝手に失敗した。すべては国と事業者の責任です」と訴えました。


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