しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年4月9日(土)

辺野古「県不承認」取り消す

設計変更めぐり 国交相が不当裁決

20日までの承認勧告

写真

(写真)新基地建設が強行されている辺野古・大浦湾=2021年12月、沖縄県名護市(許可を得て小型無人機で撮影)

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、斉藤鉄夫国土交通相は8日、軟弱地盤の改良に伴う設計変更を不承認とした昨年11月の玉城デニー知事の処分を取り消す裁決を出しました。併せて、20日までに設計変更を承認するよう勧告しました。

 設計変更は、埋め立て海域北側の大浦湾で軟弱地盤が見つかったことに伴うもの。防衛省沖縄防衛局は2020年4月、地盤改良のための設計変更を県に申請。県は昨年11月、軟弱地盤が最も深い90メートルに達する「B27」地点で地盤調査が行われておらず、「地盤の安定性が十分に検討されていない」ことや、絶滅危惧種ジュゴンへの影響が適切に予測されていないことなどから不承認としました。

 これに対して防衛局は昨年12月、行政機関による私人への権利侵害の救済を目的とした行政不服審査法を悪用して、同法に基づいて国交相に審査を請求していました。国交相の裁決書は防衛局の主張を全面的に支持しており、「国が国を救済」する不当な判断です。

 裁決を受け、デニー知事は同日、「裁決書が届き次第、内容を精査・確認した上で、対応方針を検討していきたい」とのコメントを出しました。今後、県が勧告に従わない場合、国は是正を指示し、県はこれを不服として総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出ることが想定されます。さらに、その先に法廷闘争が見込まれます。


pageup