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2022年4月6日(水)

エネルギー使用合理化法等改定案

笠井議員の質問(要旨)

衆院本会議

 日本共産党の笠井亮議員が5日の衆院本会議で行ったエネルギー使用合理化法等改定案に対する質問の要旨は次の通りです。

 本法案は、「2030年度の野心的な温室効果ガス削減」「石炭火力の脱炭素化」を図るといいますが、水素・アンモニアを「非化石エネルギー」として利用促進するものです。しかし、アンモニアも化石燃料由来で、製造過程で大量のCO2(二酸化炭素)を放出する「グレーアンモニア」であり、経産省も「1トンの製造に1・6トンのCO2を排出」と説明してきたものではありませんか。

 昨年11月のCOP26(気候変動枠組み条約第26回締約国会議)グラスゴー気候合意には、水素・アンモニアが「排出削減措置」にあたるとの記述はありません。日本政府独自の解釈は、国際的に成り立たず、30年目標とも整合性がないではありませんか。

 しかも現状、アンモニアの国内利用100万トンのうち輸入20万トンでまかなっているものを、50年には国内利用3000万トン、その大部分の輸入を想定しています。海外エネルギー依存を深め、わが国のエネルギー安全保障をいっそう危うくします。現下の国際情勢を目の当たりにして、政府には危機感がないのですか。

 気候危機打開に向けて、先進国には30年までの石炭火力廃止が求められ、G7で全廃の期限を表明していないのは日本だけです。「第6次エネルギー基本計画」で30年度の電源構成目標を19%とする石炭火力の延命を図る法案は、世界の流れへの逆行ではありませんか。

 法案で、水素・アンモニア製造やCO2回収・貯蔵技術(CCS)促進のために、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)を通じて、巨額の税金を投入することは重大です。政府自身、水素・アンモニア発電の実現は50年ごろの目標と言い、実用化のめどは立っていません。

 資源エネルギー庁が設立した「燃料アンモニア導入官民協議会」は、利害関係者ばかりが名を連ね、議事要旨は項目だけ。新たな癒着の温床になりかねないではありませんか。

 法案が、発電所の休廃止の事前届け出を義務付けることについて、「国が事前に把握・管理する」ことで、供給力不足を口実にした石炭火力の延命策になるのではありませんか。

 気温上昇を1・5度に抑える対策には、一刻の猶予もありません。石炭火力は全廃し、日本のCO2排出量の6割を占める発電所と産業界をはじめ省エネルギーを強力に進めると同時に、速やかに再生可能エネルギーに転換し、エネルギー自給に大きく足を踏み出すべきではありませんか。


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