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2022年4月3日(日)

主張

岸田政権6カ月

危険で冷たい政治を変えよう

 岸田文雄政権が発足して4日で6カ月になります。岸田氏は2021年10月4日に首相に就任し、安倍晋三政権・菅義偉政権の骨格を引き継ぐ組閣を行った直後、解散・総選挙を実施しました。衆院で改憲勢力3分の2以上の議席を維持した後は、敵基地攻撃能力保有の議論を加速するなど9条改憲に前のめり姿勢が鮮明です。新型コロナ対応では、なりゆきまかせに終始し、「第6波」の感染爆発を引き起こしました。「安倍・菅政治」以上に危険で国民に冷たい姿が浮き彫りになった半年間でした。

9条改憲に前のめり姿勢

 岸田政権半年について松野博一官房長官は「山積する課題にスピード感を持って取り組んできた」(3月31日の記者会見)などと自慢げに述べました。実際の政治とあまりにもかけ離れた発言です。

 コロナ対策では、ワクチンの3回目接種や検査などが大幅に立ち遅れました。感染者は激増し菅政権時の「第5波」をはるかに上回る感染者数を記録し、亡くなる人もこれまでで最悪となりました。

 3月21日でまん延防止等重点措置を解除しましたが、危惧される感染リバウンドへの有効な対処方針は見えません。病床削減の政策も改めず、公的医療費をはじめ社会保障費カットも続ける立場です。安倍・菅政権のコロナ対応の失敗に学ばない政治のままでは、国民の命と健康を守れません。

 際立つのが、9条に狙いを定めた改憲の動きです。なかでも重大なのは、安保法制のもとで敵基地攻撃能力保有の議論を進めていることです。安保法制は、日本に対する武力攻撃がなくても「存立危機事態」と認定すれば、他国と戦争を始めたアメリカを助けるため、集団的自衛権を行使して武力行使できる仕掛けです。

 現在の敵基地攻撃能力保有についての検討は、安保法制施行以前の議論とは大きく異なり、アメリカと一緒に自衛隊が海外に攻め込むことと結びついています。それは先制攻撃の議論であり、9条の規定とは絶対に両立しません。

 9条に自衛隊を書き込む改憲を任期中に実現すると岸田首相が明言していることは、新たな企てと一体です。安倍・菅政権でもできなかった危険な道に突き進むことは許されません。

 首相は「新しい資本主義」を看板にして、新自由主義の弊害を口にしますが、どこが間違っていたのかは説明せず、どう転換するかも示しません。自民党総裁選では、金融所得課税の強化を売り物にしたのに、首相になって以降は棚上げしています。大企業・富裕層を優先し、国民の所得向上を置き去りにしてきた政治の抜本的な転換が欠かせません。

疑惑の幕引きは露骨に

 安倍・菅政権下で噴き出した国政私物化・「政治とカネ」疑惑に幕引きを図る立場も露骨です。「森友」事件で公文書改ざんを強いられ自死した近畿財務局職員の妻が真相を知りたいと開始した訴訟では、国側が突然賠償に応じ裁判を「強制終了」させました。「桜を見る会」疑惑でも首相は解明に動きません。参院広島選挙区の大規模買収事件では自民党本部の資金提供の実態について再調査を拒みました。「国民の声を聞く」は言葉だけです。

 公示まで3カ月をきった参院選で民意に逆らう政権に厳しい審判を下すことが必要です。


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