2022年4月2日(土)
赤十字 マリウポリ市民避難を計画
赤十字国際委員会(ICRC)は1日、ロシア軍の包囲が続く南部マリウポリから市民を避難させる計画をウクライナとロシアの最高レベルの当局が承認したと明らかにしました。
ロイター通信によると、ICRCの報道担当者は、54台のバスで避難民をウクライナの別の場所に移す計画で、行き先はまだ決まっていません。人道援助物資の運び入れについてはロシアの許可が得られず、物資を積まずに出発したといいます。
これに先立ちマリウポリの市幹部は1日、SNSメッセージで、ロシア軍がいっさいの人道援助の立ち入りを妨害しており、市から脱出することも「非常に危険だ」と述べました。ロシア軍の包囲が続くマリウポリでは、市当局によると5000人の民間人が死亡。食料や水、医薬品などが尽きた状態で十数万人が市内に閉じ込められています。
北部チェルニヒウ州のチャウス知事は1日、ロシア軍が撤退をしているとビデオメッセージで明らかにしました。ロイター通信が報じました。チャウス氏は、「空爆やミサイル攻撃はありうる」として、防衛体制は緩めないと表明。ロシア軍が占領していた地域や集落にウクライナ軍が入っていると述べました。
米国防総省のカービー報道官は3月31日、キーウ(キエフ)北部のロシア軍の20%が再配置を行っているが、どこに向かっているかは現段階では明らかでないと述べました。
カービー氏は、最もありうるのは、ベラルーシ国内で再装備、再補給を行い、ウクライナ国内、特にドンバス地方へと向かう可能性だとしつつ、現段階では不明だと述べました。
29日のウクライナとの停戦交渉でロシアは、信頼醸成措置としてキーウとチェルニヒウ周辺での軍事作戦の大幅縮小を表明。ただウクライナ国防省は31日の声明で、ロシア軍がチェルニヒウなど各地で攻撃を続けたと述べていました。