2022年4月1日(金)
薬機法改正案に対する宮本徹議員の質問(要旨)
衆院本会議
日本共産党の宮本徹議員が31日の衆院本会議で行った「医薬品医療機器等の品質、有効性・安全性等確保法」(薬機法)等改正案に対する質問(要旨)は次の通りです。
安全で有効な治療薬とワクチンは、人々の命を守り、パンデミックから抜け出す役割を果たします。パンデミック対応で、緊急時の使用許可・薬事承認の制度は必要です。しかし、緊急時でも安全性・有効性がないがしろにされ、薬害の温床になるような制度であってはなりません。
政府は新たな緊急承認の制度について、安全性は確認し、有効性は推定すると説明します。何をもって「推定できる」のか。
安倍元総理が前のめりになったアビガンは、139億円の予算を組み200万人分を備蓄しましたが、新型コロナへの有効性を示せませんでした。時の権力者の意向で、有効性が確認されていない医薬品が承認されることはないと断言できますか。
安全性について、第三相試験の結果が出る前に確認できる安全性には限界があるのではありませんか。海外でしか治験が行われていない場合、日本人の使用の安全性と有効性をどう確認・推定するのか。期限内に行う承認申請は、通常と同様の第三相試験の成績提出を原則とすべきです。
発動要件で、「国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがある」との規定のみでは、何が緊急かは、どこまでも拡大される恐れはありませんか。海外で許可された治療薬、ワクチンと比べて効能がはっきり劣るものは緊急承認の対象となりうるのですか。
市販後の安全対策です。使用を広げる中で、効果に欠けたり、重大な副作用が判明することがありえます。政府は2年間の期限を待たずに、承認を取り消すのでしょうか。スピード承認されたイレッサでは多くの方が副作用で亡くなりました。第三相試験で有効性の証明ができなかったにもかかわらず、承認は取り消されませんでした。こうした薬害の歴史を繰り返さない法的担保はありますか。
緊急承認する場合、その後の有効性や副作用・副反応等の徹底した情報収集と解析、監視の体制が重要です。
小さなシグナルも検出できるよう、ワクチン接種の記録と診療データを組み合わせて、追跡調査できる仕組みを設けるべきではありませんか。
健康被害の救済について、緊急承認された医薬品は現行救済制度の対象としますが、有効性等は推定であり、救済制度もそれに応じて支給要件を緩和すべきです。新型コロナワクチン接種後の死亡で救済されたものはいまだありません。国には積極勧奨した責任があり、根拠を持って因果関係を否定できるもの以外は積極的に救済の対象にすべきです。