2022年4月1日(金)
米、核抑止の維持 固執
核態勢の見直し 概要発表
【ワシントン=遠藤誠二】米国防総省は29日、核戦略の指針となる「核態勢の見直し(NPR)」を連邦議会に提示し、概要を発表しました。「核抑止と拡大抑止」の維持を明記し、核抑止に固執する姿勢を堅持しています。
発表された概要は1ページのもので、NPR本体は後日、発表されます。概要は「安全で効果がある核抑止と、強力で信頼性のある拡大抑止に対する約束を維持することが、国防総省と国家の最優先課題だ」として、核抑止、核の傘の維持を表明しました。
概要はまた、「核兵器が存在する限り、米国の核兵器の基本的な役割は、米国と同盟国、パートナー国への核攻撃を抑止させることだ」と明記。同時に「米国が核兵器の使用を考慮するのは唯一、米国と同盟国、パートナー国の重要な国益を防衛する極限状態においてだ」としています。
一方で、NPRの概要は「核兵器の役割を軽減させ、軍備管理におけるわれわれの指導力を再確立させる」と強調。「引き続き、戦略的な安定性に重点を置き、コストのかかる軍拡競争の回避を模索し、可能なら危険性を軽減させ軍備管理を円滑に進める」と主張しています。