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2022年3月31日(木)

停戦交渉 進展か

ウクライナ「中立化」提案

ロシア「軍事作戦を縮小」

 【カイロ=秋山豊】ロシア、ウクライナ両国の代表団による停戦交渉が29日、トルコ最大都市イスタンブールで約4時間にわたって行われました。ウクライナ側は北大西洋条約機構(NATO)など軍事同盟に参加しない「中立化」、自国の安全を保証する仕組みを提案。ロシア側は、提案を検討し、プーチン大統領に提出すると述べるとともに、ウクライナ首都キエフと北部チェルニヒウ周辺での軍事作戦を大幅に縮小すると表明しました。

 両国の代表団による対面の協議は今月7日にロシアの同盟国ベラルーシで行われて以来で4回目。トルコでの交渉は10日の南部アンタルヤでの外相会談以来でした。トルコのアナトリア通信やロイター通信などによると、ウクライナ側は軍事同盟に参加せず、自国内での大量破壊兵器の製造・配備を禁止、外国軍基地を国内に置かないことを提案しました。

 ウクライナは、これと引き換えに自国の安全を保証する「新しい仕組み」を提案。NATOの北大西洋条約第5条の集団防衛規定のような制度だとされ、タス通信によると、ウクライナ側は安全保証国として、国連安全保障理事会の五つの常任理事国(ロシア含む)や、ドイツ、イスラエル、イタリア、カナダ、ポーランド、トルコをあげました。これら諸国がウクライナの欧州連合(EU)加盟を支援するよう求めています。

 またウクライナ側は、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島の地位について15年の協議期間を設けることも提案。親ロ派が一方的独立を宣言したドンバス地域の扱いは、首脳レベルで協議されるとしています。

 ロシアのフォミン国防次官は、両国による信頼醸成措置として、「キエフとチェルニヒウでの軍事作戦を迅速に縮小すると決定した」と述べました。

 ウクライナ代表団のアラハミア最高会議(国会)議員は「協議の結果は首脳レベルの会談に向けて十分なものとなった」と述べました。


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