2022年3月26日(土)
ロシアは国際人道法守れ
国連総会特別会合 各国「民間人攻撃やめよ」
【ワシントン=島田峰隆】米ニューヨークの国連本部で23、24の両日に開かれた国連総会緊急特別会合では、ウクライナ侵略を続けるロシアに対し、民間人や民間施設に対する攻撃を即時停止し、ジュネーブ諸条約など国際人道法を順守するよう求める声が相次ぎました。ロシアによる軍事侵略が世界全体の食料や生活必需品の供給を不安定にし、飢餓や貧困を広げるという批判も目立ちました。
カナダは、ロシア軍がウクライナで都市を包囲し、学校、病院、市民の居住アパートを破壊し、妊婦や子どもまで攻撃対象にしていることは国際人道法違反だと指摘。「民間人を標的にした攻撃はやめねばならない。一切の正当化は通用しない」「ロシアは侵略戦争をやめねばならない」と強調しました。
チェコは、民間施設が破壊された町ではお年寄りや子どもが水も食料もない状態で寒さに凍えていると強調。そもそもロシア自身がジュネーブ諸条約の締約国だと指摘し、「ロシアはジュネーブ諸条約の国際的義務と、拘束力のある既存のあらゆるルールを守らねばならない」と厳しく非難しました。
ブラジルは「国際人道法は紛争の最悪の状況下でさえ人間の尊厳を守ることを目的としている」「戦争のルールは自由裁量で適用するものではない」と批判しました。
コスタリカは、小麦の主要生産国であるウクライナとロシアで農業が滞り、世界的な食料危機が起きる可能性があると懸念を表明。紛争地域のイエメンや南スーダンなどですでに深刻な飢餓がさらに進む危険があるとし、「ロシアがウクライナ侵略をやめることで地球規模の大惨事を避けることができる」と訴えました。
アルバニアは、戦争の影響で生活必需品の価格が急騰していると指摘。「この危機は世界全体、特に発展途上国に影響を与えている」「貧しいものはますます貧しく、弱い立場にある人はますます弱い立場に追い込まれている」と批判しました。