2022年3月24日(木)
破綻した「核抑止力論」 核兵器廃絶こそ解決の道
BSフジ 小池書記局長が主張
日本共産党の小池晃書記局長は22日夜のBSフジ番組「プライムニュース」で、同日成立した2022年度予算やウクライナ情勢、「核抑止力論」などについて、自民党の小野寺五典元防衛相、立憲民主党の逢坂誠二代表代行、国民民主党の玉木雄一郎代表と議論しました。
増額続ける軍事費
番組の冒頭、来年度予算について問われた小池氏は、「新型コロナウイルス対策は非常に不十分な上に、年金など社会保障予算は削減。その一方で、敵基地攻撃能力の保有などの軍事費は10年連続で増額し、ロシアとの経済協力予算が21億円もある」と厳しく批判しました。
続いて、ロシアによるウクライナ侵略をめぐって、日本はどう対応すべきかの議論で、小池氏は、「無法なことばかりだ。国連憲章は『主権の尊重』、『領土の保全』、『武力行使の禁止』をうたっているが、ロシアの侵略は、これを幾重にも踏みにじる侵略です。学校や病院や原発を攻撃するのは国際人道法に違反する戦争犯罪です。核の先制使用を公言したことも重大です」と厳しく批判しました。
小池氏は、「国際社会がロシアを包囲し、これ以上の戦闘行為をやめさせ、核使用を許さない外交努力を徹底してやるべきだ。そこに知恵と力を尽くすことが政治の責任だ」と強調しました。
小池氏は、こうした中で岸田文雄首相が、敵基地攻撃能力の検討を始めるとしていることについて「国際的には先制攻撃と見られる」と厳しく批判しました。
「専守防衛を変えない」と弁解する小野寺氏に対し、小池氏は、岸田首相は国会で「専守防衛を変えるのではないか」という質問に答えず、岸信夫防衛相は「相手国の領空まで行って爆撃することを排除しない」と答弁したと指摘。「ロシアがウクライナでやっていることとどこが違うのか。実際にこの(敵基地攻撃)議論を始めたら、先制攻撃になっていく」と追及しました。
小野寺氏が「前提はわが国が攻撃された場合です」と述べ、玉木氏が「必要だ」などと述べたのに対し、小池氏は「政府は安保法制の発動の際の、敵基地攻撃を否定していない。日本は攻撃されていない場合でも敵基地攻撃能力を行使する。安保法制と敵基地攻撃がセットになれば、先制攻撃になっていく」と批判しました。
核廃絶世界の流れ
小池氏は「『抑止力』の名のもとで力の論理でひたすら軍事力で対抗すれば危険な衝突になる」と厳しく批判。プーチン大統領は核の先制使用をいとわない立場を公言していると指摘。「『核抑止力』論の前提は崩れつつあり、核戦争の危機を取り除くためには、核兵器をすみやかになくすしかない」と主張しました。
番組の最後に、小池氏は6月に核兵器禁止条約第1回締約国会議、8月に核不拡散条約(NPT)再検討会議が行われ、核廃絶は世界の流れだとし、「核兵器は人間が人間として死ぬことも許されない絶対悪の兵器だ。核廃絶は被爆者の皆さんの強い願いだ」と強調。「唯一の被爆国である日本が速やかに同条約に加わるべきだ。世界が核の恐怖から抜け出すために、世界に同条約への参加を提起していくことがウクライナの危機から学ぶ最大の教訓だ」と主張しました。