2022年3月24日(木)
大量破壊兵器使用許すなの声急務
志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は23日、国会内で記者会見し、ウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説の受け止めについて、「ロシアによる侵略と戦争犯罪に対する深い憤りとともに、祖国の独立を守りぬく決意がひしひしと伝わってくる演説だった」と述べました。大統領が日本に経済制裁の継続、復興支援を要請したことに触れ、「どれも大事だ。日本としてこの要請を受け止め、経済制裁、非軍事での復興支援を行っていく必要がある」と語りました。
志位氏は、国連の現状との関わりで大統領が「平和を守るためのツール」と提起したことに触れ、「わが党は国連の改革をかねてから言ってきた。とくに国連総会の役割を大きくする方向での民主的な改革は必要な課題だと考えている」と述べました。
大統領が原発への攻撃や核兵器使用の懸念を語ったことへの受け止めを問われた志位氏は、ロシアがチェルノブイリ原発を蹂躙(じゅうりん)し、環境破壊をもう一度攪拌(かくはん)しているとの告発や、国連憲章違反の侵略への批判だけでなく国際人道法に反した原発や民間人への攻撃は戦争犯罪だとの強い告発もあったと指摘しました。生物・化学兵器や核兵器使用の懸念が出されたことについて、ロシアの大統領報道官が22日、「ロシアが『存亡の危機』の場合には核兵器の使用もありうる」と発言したことに言及。「このタイミングで言うのは許し難い世界に対する恫喝(どうかつ)だ」と批判しました。
核兵器の先制使用の方針はプーチン政権が2020年に国家の公式の方針として打ち出し、通常兵器による攻撃であっても「存亡の危機」と判断すれば核の先制使用を行うというもので、その方針を大統領報道官が発言したのは極めて重大だと述べました。
その上で、「こういう状況を前に、『核抑止力』論はいよいよ無力になった」と指摘。「核兵器の先制使用を公言し、自国民に甚大な犠牲が出ても核兵器を使うことをためらわない指導者が出てきたことで、核兵器を持っていれば核戦争を抑えられるという『核抑止力』論が、いよいよ無力になったのが現状だ」と述べました。「核兵器のない世界、地球規模での核兵器廃絶に進むことが、核兵器を使用させない唯一の道だということがいよいよ明瞭になっている」と強調し、「『生物・化学兵器の使用も核兵器の使用も断じて許さない』との声を世界中であげることが急務だ」と訴えました。