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2022年3月20日(日)

国連「人道状況深刻」

ウクライナ 難民の9割、女性・子ども

 【ワシントン=島田峰隆】ロシアがウクライナ各地で一般市民や民間施設も対象にした攻撃を強めるなか、人道支援を担当する国連機関は18日、ウクライナ国民や難民の人道状況がいっそう深刻化していると相次いで指摘しました。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)は、ウクライナで住居を失い、国内で避難生活をしている人は16日の時点で約648万人に上るとする推計を発表しました。橋や道路の破壊などで取り残され、避難できずにいる人は1200万人以上と見積もっています。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報道官は、ウクライナ南東部のマリウポリや北東部スムイでは「人道状況は極めて深刻で、住民は命取りになるほどの食料、水、医薬品の不足に直面している」と指摘。東部のドネツク州では20万人以上が水を利用できず、ルガンスク州では相次ぐ砲撃で9万7800世帯が電気を使えない状態です。

 UNHCRによると、ウクライナから国外に逃れた難民は18日時点で320万人以上になりました。そのうち9割は女性と子どもで、約16万人は第三国の市民です。

 報道官は「民間人と民間インフラの保護、国際人道法の尊重を引き続き求める」と強調しました。

 世界保健機関(WHO)の在ウクライナ代表は、同国西部リビウが初めてロシア軍の攻撃を受けたとの情報に関し、「けさリビウで起きたことは新しいことではない。ウクライナの他の地域で起きていることだ」と指摘。ロシアによる侵略開始以降、ウクライナでは医療施設・活動に対する攻撃が44件あったとし、医療面での支援を呼び掛けました。

 国際移住機関(IOM)の報道官は、難民が増えるなかで人身売買の被害者が生まれる可能性に懸念を表明。IOMが設置した支援ホットラインには過去9日間で1万件以上の電話があり、そのうち半分以上が人身売買に関するものでした。


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