2022年3月19日(土)
ロシア軍無差別攻撃 多数死亡
市民避難の劇場爆撃に非難
ウクライナ南東部の都市マリウポリで16日、多数の市民が避難していた市内の劇場が爆撃を受けました。同市はロシア軍の包囲攻撃を受けており、ウクライナ側はロシアの空爆による被害だと主張。17日開かれた国連安保理で、米国のトーマスグリーンフィールド大使は、「劇場の外にロシア語で『子ども』と大きく書かれていたのに爆撃された」とロシアを批判しました。
ロイター通信によると、破壊された劇場のがれきのなかで、生存者の救出作業が続いています。市当局によると、激しい砲撃を逃れて、劇場や近くのプールの建物に避難していた数百人の市民のほとんどが女性、子ども、高齢者です。市当局は「犠牲者に関する情報は精査中」としています。同市からは住民約3万人が退避したものの、依然として35万人以上が避難所や地下での生活を余儀なくされているといいます。
ロシア軍は北部チェルニヒウや北東部ハリコフなどで17日に無差別攻撃を行っており、市民多数が死亡しました。
17日の国連安保理では、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が、ウクライナで医療施設・活動に対する攻撃が43件あり、12人が死亡、34人が負傷したと報告。「医療への攻撃は、いつどこで起きようが、国際人道法の侵害だ」と強調しました。
また国連人権高等弁務官事務所によると、2月24日~3月15日までに、1900人の民間人死傷者が出ており、うち子ども52人を含む726人が死亡。ディカーロ国連事務次長は、多くの死傷者が、殺傷範囲の広い爆発兵器の人口密集地での使用によって発生していると指摘しました。