しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年3月18日(金)

侵攻即時停止を命令

国際司法裁、ロシアに

 【ベルリン=桑野白馬】国際司法裁判所(ICJ)は16日、オランダ・ハーグの法廷でロシアのウクライナ侵攻に関する審理を開き、ロシアのウクライナへの侵攻を即時停止するよう命じる仮保全措置を出しました。ロシアによる軍事侵攻が始まった直後の2月26日、ウクライナがICJに提訴していました。

 措置には法的拘束力があるものの、ロシア側は訴訟を「明らかに不条理」として口頭審理を欠席しており、軍事行動をやめる可能性は低いと見られます。

 ICJは、ロシアの侵攻で「人命が失われ、人々が苦しみ続けていることを強く懸念している」と表明。ロシアによる武力行使は「国際法に関する非常に深刻な問題を提起している」とも述べました。

 ロシア側は、武力行使の口実として、親ロシア派が支配するウクライナ東部でジェノサイド(大量虐殺)が起きているとしています。ICJは、これを否定するウクライナ側の主張を認めた形です。

 ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターで「完全勝利」と投稿。法的拘束力を持つ命令を無視すれば「ロシアはさらに孤立することになる」と強調しました。

ICJの判断歓迎 国連総長

 【ワシントン=島田峰隆】国連のグテレス事務総長は16日、国際司法裁判所(ICJ)がロシアによるウクライナ侵略について即時停止させる仮保全措置を命じたことをめぐり、ツイッターで「私が繰り返し行ってきた平和を求めるアピールを全面的に強化するものだ」と歓迎しました。「この戦争はやめねばならない」と指摘しました。

 グテレス氏は、ロシアによるウクライナ東部の親ロ派支配地域の独立承認とその後の侵略について、主権尊重や領土保全、紛争の平和的解決を定めた国連憲章に違反するとして当初から厳しく批判してきました。


pageup