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2022年3月17日(木)

事務局長次男 有罪判決

知事リコール署名偽造 「民意をねつ造」

名古屋地裁

 愛知県の大村秀章知事の解職請求(リコール)をめぐる署名偽造事件で、地方自治法違反に問われた田中雅人被告(29)に名古屋地裁(板津正道裁判長)は16日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑は懲役1年6月)の有罪判決を言い渡しました。

 雅人被告は、同罪で公判中の署名団体「愛知100万人リコールの会」事務局長の田中孝博被告(60)=日本維新の会前愛知5区支部長、元県議=の次男。

 板津裁判長は、父親の指示を受けた雅人被告が大量の名簿購入や署名用紙の遠方への運搬など署名偽造のほぼ全体に関与し、40万円以上の報酬を得ていたと指摘。「ありもしない民意をねつ造することで県知事の解職をもくろむというのは、地方自治を不正にゆがめようとする許しがたい犯行で、社会に及ぼした影響は大きい」と非難しました。

 弁護側は署名偽造への関わりの程度は小さく、罰金刑が相当だと主張していましたが板津裁判長は、偽造を秘密裏に行う必要があったところ、孝博被告と密接に連絡を取り合い実行役の関係者に指示を伝達するなどの「重要な役割を果たしている」として退けました。

 リコール運動は、芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示内容を理由に、展示を許可した大村知事のリコールを河村たかし名古屋市長や高須克弥医師が呼びかけたもの。県選管の調査では、提出された署名約43万5000人分の8割超に当たる約36万人分に不正が疑われ有効と認められないものだったことが判明しています。

 事件では3人が起訴され、広告関連会社の元社長(39)が同罪で有罪判決を受け、控訴しています。


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