2022年3月15日(火)
ウクライナ侵略
医療機関への攻撃やめよ
国連3機関 共同声明
【サンフランシスコ=島田峰隆】国連児童基金(ユニセフ)、世界保健機関(WHO)、国連人口基金(UNFPA)の3機関は13日、ロシアが侵略しているウクライナで医療機関が攻撃されていると批判し、医療機関に対するあらゆる攻撃を直ちにやめるよう求める共同声明を出しました。
WHOによると、ロシア軍による侵略開始以降、ウクライナでは医療機関や救急車などへの攻撃が31件確認されました。これらの攻撃で少なくとも12人が死亡し、34人が負傷しました。
声明は、赤ん坊や子ども、妊婦、患者、他人の命を救うため自らの命を危険にさらして働く医療従事者への攻撃は「良心に照らして受け入れ難い残虐行為だ」と厳しく非難しました。「国際人道法や国際人権法を順守しなければならない。民間人保護が最優先課題にならねばならない」と指摘しました。
ロシア軍の侵略開始以降にウクライナでは出産が4300件以上あり、今後3カ月で8万人の女性が出産する予定だといいます。声明は、医療用品が危険なまでに不足し、医療崩壊の危機があると指摘。「医療崩壊は大惨事になる。防ぐためにあらゆる努力をせねばならない」と強調しました。
また新型コロナウイルスの感染が続くなかでの医療機関への攻撃は、民間人の置かれた状況をさらに悪化させる可能性があると批判しています。