2022年3月13日(日)
核廃絶の議論 緊急に
米大司教が呼び掛け
【サンフランシスコ=島田峰隆】米西部ニューメキシコ州を管轄するカトリックのジョン・ウェスター・サンタフェ大司教は9日、核保有国のロシアがウクライナ侵略を続けるなかで「核兵器廃絶の議論を地域や国レベル、世界で活性化させることが緊急に必要だ」と語り、核兵器禁止条約を含む核廃絶・軍縮の条約を広げるよう呼び掛けました。
民主党内の団体「進歩的米民主党員」(PDA)の地元支部のオンライン月例会合にゲストとして出席し、発言しました。
ウェスター氏は、ロシアのプーチン大統領が核戦力の警戒態勢強化を命じたというニュースに触れて「背筋が凍った」と強調。「核兵器を使えば何も残らず、平和は築けない」と批判しました。
核兵器禁止条約を含む核廃絶・軍縮の条約について「これらの条約は重要だ。支持し、署名され、維持されるようあらゆることに取り組む必要がある」と語りました。
会合では反核団体「ニュークリアー・ウオッチ・ニューメキシコ」のジェイ・コグラン事務局長も発言。ロシアによる侵略を機に核廃絶について国民の関心が一気に高まっているとし、「禁止条約への支持を広げよう」と訴えました。
ウェスター氏は今年1月、教区の信者に宛てた書簡の「司教教書」で、核兵器を開発するロスアラモス国立研究所を抱える大司教区として、禁止条約を実践する「特別の責任を負っている」と表明しています。