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2022年3月5日(土)

北京パラリンピック開幕

スポーツから平和の機運を

 共生社会と平和をうたうパラリンピックが、ウクライナで戦火が広がる中、幕を開けました。

 ロシアが北京五輪後に侵略を開始し、世界中から非難の声が上がっています。現地から爆撃のニュースが日々入る中で、「平和の祭典」が進行する異常な事態です。

 2月下旬に始まったロシアの侵略は、国連総会による「オリンピック休戦決議」をも踏みにじりました。ロシアが休戦決議に違反するのは、2008年北京五輪、14年ソチ五輪に続く3回目であり、この面でも許しがたい蛮行というほかありません。

 ウクライナ選手団は戦災を逃れ、キエフからイタリアにバスで横断するなど「4昼夜かけてここまで来た」と、2日深夜に選手村にたどりつきました。

 「ここにいることが象徴するのは、ウクライナが国として存在すること。大会に来ないことはあり得なかった。われわれの目標は平和だ」。ウクライナ・パラリンピック委員会のスシュケビッチ会長は話しました。

 スポーツと戦争が両立し得ないことは論をまちません。ロシアの侵略を一日でも早く止めることは当然の願いです。この大会をその契機にすることが求められます。

 いま世界ではスポーツ選手、関係者による「戦争反対」の声、ウクライナ支援や連帯の行動が急速に広がっています。それはスポーツが世界の人々を結び付け、互いを思いやる気持ちを育むからです。この“平和の力”が発揮されています。

 この大会から友情、平和のメッセージを世界に発信してほしい。スポーツから平和の機運を開くこと―。それが、どの大会よりも求められる大きな使命となるのは言うまでもありません。


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